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今回は非常に難しいテーマです。


当時、僕が下した判断が正解だったのか。

そして父親となった現在の僕なら、どういった
言葉を投げ掛けたのか、回顧してみました。


長文となりますが、どうかお付き合い下さい。



2012年春、社内試験に合格して管理職となり、
初めてセクションを纏める役割を担いました。

というのも、前任者が体調を崩してしまい、
ところてん式に僕が昇格、担当取引先様を
持ったままの、いわゆるプレマネでした。


着任した当初の自セクションは、今考えてみても
なかなかひどい状況で、人間関係も最悪、連携も
バラバラ、前任者が体調を崩すのも頷けるような
チームで、火中の栗を拾うようなものでした。


概要を纏めると、

★4名の女性部下が在籍、全員が正社員である
★そのうち2名は、育児による時短勤務者である
★フルタイム勤務者と時短勤務者の仲が悪い
★時短勤務者の欠勤早退により業務が停滞する

と、いう状況。



さて、困りました。


一般論で考えれば、やはり生産性の観点から
みても、組織の再編は避けては通れません。

典型的な中小企業ですから、マンパワーに頼る
部分も多く、人頭効率を上げながらも人手不足
というリスクと常に隣り合わせの環境です。


起因者を見つけ、異動してもらえばチームは
再び回ります。しかし、それでは問題となった
部分に蓋をしたに過ぎず、根本的な時短勤務者
とフルタイム勤務者の溝は依然として残ります。


これは日本における企業文化、日本人の気質も
大いに関係している問題で、一朝一夕でクリア
できるものではありません。


十把一絡げに「働く女性」を推進する前にまず、
企業が働き方の多様化を受け入れ、理解を示し、
根本的に学びなおす必要があると思います。

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僕にはひとり、米国在住7年目の友人がいます。

彼は日本企業から子会社への出向という立場で、
国籍も様々な20名ほどの部署のマネージャーを
任されているんですが、彼から聞く話はとても
新鮮で参考になるので、この時も相談しました。


まず、その企業(米国子会社)で働く社員たちは、
同僚の仕事に興味はなく、助け合ってやる文化
は皆無だそうです。その代わり、責任者や上司
からの指示、それと自分に課せられた仕事には
目の色を変えて取り組み、それに対する正当な
評価(肩書きや賃金)を求めてきます。


自己主張も強く、直属の上司ではない人からの
指示には聞く耳を持ちません。仕事についても
自分の役割を果たせば、あとは休暇を取ったり
休職をしたり、転職なども日常茶飯事とのこと。


日本はどうでしょうか。


冒頭に述べたように、フルタイム勤務者の人々が
時短勤務者に対して不満を持つ原因は、チームで
仕事をしていて、時短勤務者がやり残した仕事を
かぶされるから、に他なりません。


これは何も日本企業を否定しているわけではなく、
むしろ日本人の助け合う精神から生まれた合理的
なチームワークであり、これが世界史上で最大の
経済復興を遂げた国力の源泉と云えます。


しかし急速なグローバル化により、かつて誇った
日本人のメンタリティーをもってしても、遥かに
革新的で効率の良いビジネスには対応することが
難しい時代になってきたと思います。


つまり、ひとつの仕事をチームで遂行していても
日本人の場合、助け合うことが前提で仕事をする
ので、どうしても弱点箇所にベクトルを合わせて
離脱者を未然に防ごうとします。
※文句を云いながらも助けますよね。


友人にこの話をすると、米国ではまったく逆で、
仕事の早い人間がペースメーカーとなり、上司
であろうと関係なく、その流れに乗れない人は
自然と辞めていくそうです。


なので解雇通告も日常茶飯事で、昨日までデスク
で仕事をしていた人が翌日から来なくなる、とか
逆に優秀すぎる人はさっさと転職してしまって、
それはそれで困ることが多いとのこと。


もちろん、時短勤務者とて例外ではありません。

むしろ時間が限られている分、フルタイム勤務者
よりも、早く正確に仕事を進めなければ解雇です。

ですので時短勤務者たちは、どうすれば効率的に
仕事を完遂できるか、常に考えているそうです。



友人からのアドバイスも踏まえて、当時の僕が
下した判断は、大まかに述べて以下の通りです。


★時短勤務者のモチベーションを測定する
★責任を明確にして、グレーゾーンを撤廃する
★遅延しがちな業務は上司の僕が巻き取る


時短勤務者の人の大半は、フルタイム時代から
モチベーションも高く、仕事ぶりも優秀な人が
多いので、内心忸怩たくる想いを抱えています。
※部下だった2人はそうでした。


本当ならバリバリ働きたいし、自分に課せられた
仕事は責任を持ってやり遂げたいと考えています。


でも現実は、保育園から連絡が入ったり、
諸々の事情で欠勤や早退をせざるえない…


だからこそ。


時短勤務者を守るためにも、仕事を明確化して、
一定の責務を果たしてもらうことで社内の理解
を高めていく取り組みが必要だと伝えました。


そして時には「やる気を見せる」演技も必要だし、
ワーキングママの大変さをあえて見せない姿勢で
仕事に取り組んでほしいことも伝えました。
※今ならそんな無責任なことは云えませんが…。


それと同時に、僕は僕で会社に対して現場の声と、
勤務形態の見直し、託児所の開設の起案を作成し、
賛同してくれた先輩や同期と共に改善提案を具申。


起案の段階から彼女たちにも参加してもらい、
生の声を出来る限り反映させたものにしました。


結果…。


会社からは却下の回答、そして時短勤務者には
今のチームで仕事が出来ないならパート社員へ
転籍の打診をするという、極めて不誠実な回答
が帰って来ました。残念ですがこれが現実です。


会社は、今そのことを論じる時期ではない!とか
就業規則を変更するには長期間の議論が必要だ!
と云いますが、では具体的にいつから議論をする
のか?という問いに対しては未だ未回答なのです。



その後。


1人は自ら異動を申し出て、希望が叶わず退社。
もう1人は半年後、今のままではチームに迷惑が
かかるとして、同じく退社されました。


処理能力も高くて、クライアントからの信頼も
厚かっただけに残念でしたが、引き留めるわけ
にもいかず、結果的にチームは再編されました。


あの時の僕の考え方はどうだったのか…


子を持つ親となった今、改めて時短勤務者の
苦労や悩みに共感できるようになりましたし、
まだまだ日本は「働き方の多様化」に対して
相互理解が進んでいないことも分かりました。


当然ながら今も、何一つ改善されていません。

僕もあれだけ偉そうなことを述べておきながら、
現在は違う環境にいるため、関与していません。


多忙にかまけて、問題点を黙殺している時点で
結局は僕も会社と同じく「臭いものに蓋をする」
やり方をしていたんです。


そして。


ずるいことに、この問題を再び考える
きっかけになったのが娘の誕生でした。

結局、自分や自分の家族等に火の粉が降りかかる
可能性があると分かってから動く、情けない人間
であることを、嫌と云うほど自認させられました。

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娘もいつか社会人となります。


その頃には、今では考えられない非常識なことが
当たり前の常識となっていることもあるでしょう。


これからは現役のビジネスマンである以上、
避けては通れない課題だと思って取り組んで
いくつもりです。


そして幸いにも、まだ年賀状などのやり取りを
してくれている元部下の女性たちのためにも、
良い報告が出来るよう、行動していきます。



hidechichi


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